仏陀の解脱への道は八正道として説かれたが、その第一は正見である。人間の苦しみの根本原因は無明(知恵がないこと、生存欲)であるから。正見とは無明を除く仏の知見と云う事になる。全てを見通す知恵の目である。
此れは法華経において仏知見として説かれ、全ての人類はこの眼を開くことが要請されている。
仏知見は具体的には、実相をみる眼であるが、実相とは宇宙の真相である。すなわち目に見える世界(この世)、見えない世界(あの世)を総合的に認識しその本質をみる眼が仏知見である。
ここで正見とは、大宇宙という一大生命の次元構造をを認識し、人間がその構造と、宇宙意識の目的に従って生きるための前提となる世界認識を指す事になる。
人は、仏の世界からこの世に肉体を持ち、肉体本能による煩悩に迷わされつつこの世に仏の理想を顕す人生修行をしている。この仏の理想が妙法蓮華経であり、その理想を忘れずに生きることが南無妙法蓮華経である。
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